実際にやってしまったこと、あるいはできたのにしなかったことへの後悔の念は、時間の経過とともに変化する。
(何日とか何時間とかいう)短いスパンでは、まずい選択をしたというように“してしまった”ことを深く悔やむのに対して、
(何年といった)長いスパンでは、「チャンスを逃した」といった、“しなかった”ことへの悔やみが大きい。
だからこの何ヶ月かのあいだでいちばん後悔したのは何ですか、と誰かに訊くと、ある選択が思ったような結果を生まなかった、といった返事をする。
同じ人物に、今までの人生で何を後悔していますか、と訊くと、したかったのにしなかったことを挙げることが多い。
たとえば短いスパンでもっとも胸が痛むのは去っていった恋人のことを考えるときで、長いスパンでは、あの恋は実現できたはずなのにと考えるときである。
今のところ長いスパンで後悔していることはほとんどない・・・はずです。